色覚異常と言われたら
2018.05.31
小学生から高校生のお子さんで希望する方に対して、学校で色覚検査が行われるようになりました。以前は小学4年生(だったと思います)に全国一律で検査が行われていましたが、その後、検査が行われない時代があり、最近になってまた始まりました。検査を受けたことがないお子さんが多いため、すべての学年を対象に、そして個人情報の関係から希望者のみに検査をしている状況です。
ここで行われている検査は、先天性色覚異常を見つけるのが目的です。先天性というだけに、生まれつきの性質であり、検査をしないと自覚しないことがありますが、検査で見つかっても治療の必要はありません。というか、治療の方法がありません。色の見え方は一生を通じて変化することがなく、悪化も改善もしません。
では、なぜ検査をするのかというと、一部の職業で、色覚異常があると仕事につけなかったり、仕事はできても不利な状況になったりすることがあるからです。自分の色の見え方がどうなのかを知ることにより、将来の職業選択のヒントになります。また、他のお子さんと色の見え方が違うことから、本人は普通に生活していても、美術の時間などに先生から色の「間違い」を指摘されてしまうなど教育上の配慮が必要な場合があります。
学校の検査で異常が疑われても、眼科の検査で異常がない場合もあります。検査を受けて再検査が必要と言われた場合は眼科を受診なさってください。
先天性色覚異常は生まれついて持っている個人の特性の一つであり、異常なことでも恥ずかしいことでもありません。うまく付き合っていけばよいことです。ご家庭でもそのように理解して、適切なお子さんへの対応をしていただければと思います。
色覚についての情報は、「日本眼科医会」のホームページにもありますので、ごらんください。