点眼液の使い方
2015.04.09
今日は、点眼液についてお話します。
外来では「目薬の使い方が下手なので・・・なかなか目に入らないんです。」などとおっしゃる方が少なくないです。みなさんどのようにされていますか?
点眼をするときには、まず、手を洗ってください。目を触るので清潔にという意味と、点眼瓶も不潔にしないようにです。
実際に点眼するとき、点眼瓶をもった手は空中に浮いていませんか?空中に浮いた手から目に点眼するのは意外と難しいです。手の一部(指でも手首のあたりでも)をご自分の頬につけるようにすると安定して点眼しやすいですよ。反対の手で瞼を引き下げる場合、その手の上に点眼瓶を持った手をのせてもよいです。固定していつも決まった形で点眼するようにしてみてください。点眼瓶は目や瞼に触れないようにしましょう。
点眼はどのくらいの量、していますか?医学的には1滴で十分です。患者さんによっては、「あふれるくらいに入れないと足りないと思って。」とか、「何回点眼してもあふれてしまうので、目には入っていないと思ってもっとつけるんです。」などとおっしゃいます。通常1滴点眼してもわずかにあふれるものです。あふれた分はしっかりと拭き取っていただいて、終了です。あふれなくても1滴はいればじゅぶんに効果があります。目に当たった(入った)お薬があふれているのに足りないことはありません。
点眼の回数はどうしていますか?内服のお薬と違って、眼科医がお話した回数通りに点眼している患者さんは意外と少ないのです。なぜでしょうか?忘れてしまってという場合、これは残念ですが、仕方がありません。そうではなくて、自己判断で回数を減らしたり、極端に増やしたりされる方がいます。お薬の種類によっては、症状に合わせて適宜使用してよいものもありますが、1日に何回と指示されているものは、薬の効果を上げ、副作用を減らすために回数を守ってください。少なくては効かない、多くては副作用がでる、多く使用するとかえって効かないなど、いろいろな場合があります。また、一回、二回使用して、すぐに病気が治るものでもありませんので、期待した効果がないと簡単に判断しないでください。疑問があれば処方した医師に相談してください。
点眼薬の使用できる期間はどのくらいでしょうか?防腐剤の入っていない薬など、特殊なものでは非常に短い場合がありますので処方時の指示にご注意ください。一般的な薬では、1か月程度とされています。1か月を過ぎてなんとなく手元において時々使っている場合、いつの間にか古くなり変質したり、雑菌が入り込んでいたりする危険があります。1か月を数日過ぎたからすぐに捨てないといけないなどと考える必要はありませんが、たいていのお薬は毎日必要な回数点眼をしていれば1か月以内になくなるものですから、そのくらいを目安にお使いください。保管するときには、遮光、冷蔵の必要なものはそのように、そうでないものでも、直射日光や過度な高温、低温に注意して室温で保管してください。
点眼薬を正しく使い、治療の効果が十分でるように、疑問があれば眼科医にご質問ください。