常陽リビング掲載記事 第5回~飛蚊症~
2011.01.08
2011.1.8 常陽リビング 「リビングクリニックQ and A」に掲載されました。
今回の話題は「飛蚊症」です。多くの方にみられるよくある症状ですが、急を要する重大な疾患が隠れていることがあります。初めて症状を自覚した時や症状に急な変化のあった時は眼科での検査をお勧めします。
以下、掲載記事です。
Q:明るいところや白い壁をみるとゴミのようなものが見えます。目を動かすと少し遅れてついてきます。眼科に行ったら治らないといわれましたが、どうなのでしょうか?
A:明るいところや真っ白な壁を見たときにゴミのようなものがみえる症状を「飛蚊症」と言います。ほとんどの場合は加齢にともなう生理的な変化で、眼球内に濁りが生じたことによるものです。
眼球内には硝子体と呼ばれる透明な物質が詰まっていて、年齢とともにこれが液体に変わってきます。このときに硝子体を包んでいる透明な膜(後部硝子体膜)が網膜から剥がれ、硝子体内が不均一になって濁りが見えることが原因です。これは病気ではなく、視力に直接影響することはありません。時間とともに慣れてしまって気にならなくなることが多いです。
一方、飛蚊症で眼底検査をして重大な病気が発見されることがあります。代表的なものでは、網膜裂孔、虹彩炎、ぶどう膜炎、網膜静脈閉塞症などです。これらの疾患に気がつかないと視力に重大な影響を及ぼします。初めて飛蚊症に気付いた時や、もともとあった飛蚊症が急激に変化したときは眼科での眼底検査をお勧めします。
眼底検査は、瞳孔を広げる目薬をさしてから行います。検査後はまぶしく、手元が見えにくくなりますので車の運転や細かい仕事、運動などはできません。時間に余裕をもって、車を運転せずに眼科を受診してください。