常陽リビングに掲載されました~加齢黄斑変性~
2010.11.06
2010.11.6 常陽リビングの「リビングクリニック Q and A」に掲載されました。
第一回目の話題は近年患者さんが急に増加している「加齢黄斑変性」についてです。以下は掲載記事の原文です。歪みの自覚症状がある方は早期の受診をお勧めします。
Q:54歳男性です。写真を撮ろうとしてカメラをのぞいたら、右目の時だけ歪んでみえることに気付きました。普段は特になんともないのですが。
A:まっすぐのはずのものが波打って見える症状は、網膜、特にその中心である黄斑というところに異常がでると起こります。黄斑の疾患はいろいろとありますが、50歳以上に発症し、進行性で気がつかないと深刻な視力障害を生じるものに「加齢黄斑変性」があります。原因は完全には解明されていません。もともとは欧米で多い疾患でしたが、近年では日本でも患者数が増加しています。
加齢黄斑変性には2つのタイプがあります。萎縮型では黄斑部の萎縮がゆっくりと生じ、それに伴って中心部分がみにくくなります。残念ながらこのタイプの治療法は開発途中です。滲出型では黄斑部の網膜の下に新生血管という異常な血管が増殖して、出血を生じてきます。出血により網膜が障害され視力低下を生じます。予防には禁煙、食事(サプリメント)、特にビタミンとミネラルを十分に摂取すること、過度の紫外線を避けることなどが有効ですが、完全な予防はできません。以前はよい治療法がありませんでしたが、近年さまざまな治療法が開発され、早期に発見して適切な治療を行うことで視力の維持、もしくは改善が見込めます。
早期診断がもっとも大切ですので、異常を感じたら眼科を受診して眼底検査をお受けになることを強くお勧めします。