定期検査が大切な「目と体」の病気とは?
2012.02.09
今日は、症状がなくても定期検査を続けることがとても大切な「目と体」の疾患についてご紹介します。
なんといっても一番頻度が高くて大切なのは糖尿病です。「糖尿病」の疑いがあるときは内科を受診しますね。そこで検査をして、治療を開始して一安心するのはまだ早いです。次に、眼科を受診しましょう。なぜなら、糖尿病の3大合併症の一つは「目」に発症するからです。糖尿病により、血液中の糖分が高い状態が続くと、血管が障害されます。すると、網膜への血液の流れが悪くなり、糖尿病網膜症を発症します。糖尿病網膜症は進行すると失明することも少なくない怖い疾患ですが、初期から中期にかけて、ほとんどの人は自覚症状がありません。
糖尿病網膜症を発見する唯一の方法は眼底検査です。検査といっても、「目の中を見る」だけですから検査に苦痛はありません。詳細に観察するためには点眼薬で瞳孔を開いておいて、光を目のなかにあてて観察します。この点眼をすると数時間は効果が切れませんので、その間はまぶしさと、ピントの合わない見えにくさがあります。車の運転や危険な作業はできませんので、時間に余裕をもって、車を運転せずに眼科を受診しましょう。
糖尿病があるとわかったら、まずは目の検査をうけ、網膜症が発症していないかどうかを調べることがとても大切です。その後は症状がなくても、定期的に検査を続けましょう。その方の目の状態と、血糖の状態から定期検査の間隔を決めます。すでに網膜症が発症していた場合は、さらに詳しい検査をして、進行を止めるための治療をします。
網膜症が進行すると、そのために続発性の緑内障を起こすこともあります。また、糖尿病があると、白内障も年齢の割に早く進行します。いずれも血糖のコントロールを長期間、安定して行うことで発症を防ぐことができます。また、早期に発見して対処することが大切です。根気よく、病気とつきあっていきましょう。