松本アイクリニック(松本眼科):茨城県龍ヶ崎市(眼科・眼医者)

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霰粒腫の治療について

2022.07.23

「ものもらい」とは、

急性化膿性炎症である「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と、非感染性の異物肉芽腫性炎症反応である「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」があります。麦粒腫は薬物療法が効果的です。霰粒腫は薬物による治癒が得られにくいため治療に時間がかかることがあります。

 

霰粒腫についてもう少しご説明します。

見かけ上は赤味や腫れを伴わず、さわるとしこりが触れる状態が典型的です。痛みもありません。急に大きくなる時に痛みが生じたり、また、しこりの周りに炎症がおこって腫れや赤味、痛みが生じたりすることもあり、その時は麦粒腫との鑑別が難しい場合もあります。一方で自然に吸収して治癒することもあります。

 

治療について、

しこりを取り除く(=切除する)ことにより治癒します。しかし、すべての方に切除を行うのは過剰な治療と考えます。なぜなら、切除をしなくても治る方がたくさんいるからです。また、メスを入れることで、問題がおこっている部分の周りの組織(主にマイボーム腺)もダメージを受けるため、最近では切らない治療が注目されています。

切らない治療:

「温罨法(おんあんぽう)」:霰粒腫のしこりは脂質成分が多いので、温めることで吸収しやすくなります。温めたタオルや、市販のホットアイマスクなどで瞼を温めます。

「リッドハイジーン」:瞼を丁寧に撫でるように洗浄することで、しこりの吸収を促すと同時に清潔にして炎症を起こりにくくします。

「ステロイド注射」:霰粒腫の中に、ステロイドを注射します。

「温罨法」と「薬物治療(点眼や軟膏など)」、もしくは「その併用」では、治療効果に有意差がありませんでした(LIME研究会のホームページより)。患者さんのアンケートでは薬を併用した方が満足度が高いそうですが、効果に差がないため、気持ちの問題が大きいのかもしれません。抗生剤やステロイドの点眼、軟膏を長期間使用することで耐性菌が生じる、眼圧が上昇する、白内障が生じるなどの問題がおこりますので、必要性が高くなければ当院では使用を控えています。薬物が必要な場合というのは、急に大きくなってくるときや、しこりの周りに炎症がおこった場合などです。皮膚が薄くなりしこりの内容物が皮膚を破って外に出てきそうな場合は切開した方が傷跡が残りません。そのような場合は切開をします。そこまでではない場合は、「ステロイド注射」も選択肢です。ステロイド注射と切除(切開)を比較すると治療効果に有意差がありません。注射は短時間で、痛みが少なく、外来でもやりやすい治療法です。保険適応がないため、自費診療として行いますが高額ではありません。治癒率はステロイド注射や切除術で60-90%、温罨法and/orリッドハイジーン30-80%、温罨法+薬物治療20-50%となっております(LIME研究会HPより)。

最後にどの治療を行うかの選択ですが、年齢により大きく異なります。乳幼児では注射や切開は難しいです。長期間の投薬による副作用も懸念されますので、リッドハイジーンが第一選択になります。保護者の方に根気があれば、温罨法も可能です。4歳未満では切開が必要でも全身麻酔はできません。無麻酔で動かないように複数の人数でおさえて治療することもありますが、当院では不測の事態への対応ができないので行っていません。4歳を超えると、施設によっては全身麻酔で切開をするところもありますが少ないです。局所麻酔で切除術ができる、またはステロイドの注射をできるのは個人差もありますが高校生くらいからでしょう。

しこりが大きくない、痛い治療ができない(やりたくない)時は温罨法、リッドハイジーンを選択。

炎症を起こしたときは薬物治療の併用を選択。

早く治したい、手術はしたくない、手術が難しい部位にある、多発しているときはステロイド注射を選択。

皮膚を破って内容物が出てきそう(跡が残りそう)、手術に耐えられる場合は切除術です。

当院では初診時に炎症を伴わない典型的な霰粒腫では説明だけ行い、薬を処方しないことが比較的多いです。炎症を起こしている場合や起こりそうな瞼の状態の時はお薬を処方します。経過中に状況が変化した場合は治療法を変更します。切除が必要で、本人が希望され、可能であるときは切除をします。手術が必要でも当院ではできない(年齢や体の状態から)場合は、可能な施設を紹介させていただきます。

以上の内容を外来ですべての方にご説明するのは不可能です。お読みくださってありがとうございます。霰粒腫の治療について、LIME研究会がたくさんのデータを持ち、積極的に啓発されていますので、そのデータを参考にさせていただきました。


 

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