アレルギー性結膜炎の原因は?
2012.02.20
数十年前はめずらしかった花粉症の患者さんが、あれよあれよという間に増加して、まるで国民病のように広がっています。春の花粉症の主な原因はみなさん御存知のスギですね。これは、スギ花粉が原因のアレルギー性結膜炎(鼻炎もあります)です。
さて、外来で、「アレルギー性結膜炎ですね」とお話すると多くの方が、「原因はなんですか?」と尋ねます。目をみただけで、その原因を特定することはできません。その方の生活習慣、季節、そして症状がはじまった状況などを合わせて推測し、必要な場合は血液検査などをします。アレルギー性結膜炎の所見があっても、血液検査では原因が特定できないこともあります。
では、アレルギーを起こす原因にはどのようなものがあるでしょうか?
季節性のものでは、植物があります。国や地域、季節によりアレルギーを起こしやすい植物がわかっており、日本の本州以南の春にはスギとヒノキが多く見られます。カバノキ科、ブナ科が原因の場合もあるようです。北海道ではシラカバのアレルギーが多いそうです。また、植物の花粉が少ない冬に症状の強い方は、室内のホコリ、その中のダニ、カビなどが考えられます。その他に、食べ物、ペット、化粧品なども原因になります。何かに対して、アレルギーが生じると、だんだんと他のものに対してもアレルギーを起こすようになることはめずらしくありません。コンタクトレンズの機械的な刺激やレンズの汚れに対するアレルギーもありますし、病気を治すための薬や、薬に含まれる添加物へのアレルギーもあります。
原因がわかったことで、治療薬が変わることはありません。アレルギーの原因を知ることのメリットは、原因を避ける努力ができることです。原因をできるだけさけ、そして起こってしまった炎症を抑える治療を行います。予防としての体質改善、減感作療法などもあります。これらは効果や副作用を知った上で、専門家の指導の元に受けることをお勧めします。