常陽リビング掲載記事 第8回~白内障~
2011.02.21
2011.2.19 常陽リビング 「リビングクリニックQ and A」に掲載されました。今回の話題は「白内障」です。加齢に伴い、すべての方に起こる疾患ですが、治療を必要とするタイミングに悩まれる方が多くいらっしゃいます。「あなたには白内障があります。」と初めて診断されてもあわてることはありません。どの程度の状態なのかをまずは診断しましょう。当クリニックでは手術はおこなっておりませんが、投薬による経過観察は可能です。手術を希望される方には施設をご紹介させていただきます。
以下、掲載記事です。
Q:50歳女性です。健康診断で白内障の疑いといわれました。すぐに手術をしないといけないのでしょうか?
A:白内障とは、眼球の中にあるレンズ(水晶体)に濁りが生じた状態です。40代以降ではどなたにでも生じるので、白内障が全くない方はいません。健康診断で眼底写真の写りが良くない場合に指摘されることがあります。まずは眼科で視力を測定し、水晶体の濁りの程度と、他に眼疾患がないかどうかを調べます。日常生活にさし障りのある程度まで視力が低下している方は手術を選択されてもよいでしょう。他に視力を妨げる疾患がなければ、視力は回復します。それほど進行していなければ、通院で経過を見て問題ありません。白内障の進行を遅らせる点眼薬もあります。
手術の時期はご本人の生活上の不便の程度によります。白内障が軽度でもまぶしさを感じるなどの理由で手術を希望される方もありますし、進行して視力が低下していても不自由を感じずに経過をみる場合もあります。早く手術をしないと術後の視力がよくないというわけではありません。白内障が原因で眼圧が上昇する(続発性の緑内障)とか、眼底疾患の経過観察ができないなどの医学的な理由で手術を急ぐことがないわけではありませんが、頻度は稀です。全身的疾患のために麻酔や手術ができないこともありますので、主治医にご相談ください。健康な方は日帰り手術ができる施設も増えています。