目薬のつけ方、大丈夫ですか?
2022.06.12
眼科の薬物治療の基本は点眼薬(めぐすり)になります。ところが、点眼薬を処方すると、「つけるのが苦手です」「なかなか目に入りません」「どうやってつければよいですか?」などと聞かれます。基本的な点眼の方法をここでお話させていただきます。
1.まず、点眼の前には手を洗ってください。
2.点眼薬の種類、つける時間、左右などがあっているか確認してください。
3.キャップを開けて、点眼瓶本体を利き手に持ち、反対の手で下の瞼を少し引っ張ります。顔は上を向けましょう。
4.点眼薬を持っている方の手を、反対の手のどこかに触れさせて、位置を安定させると命中しやすくなります。空中でふわふわしているとなかなか目にお薬が入らないことが多いです。
5.薬は下まぶたを引っ張って開いている空間の中央あたりをめがけて、1滴、入れましょう。黒目に直接滴下しないようにすると刺激が少なくて楽です。この時に、点眼瓶の先がまつげや瞼に触れないようにしましょう。
6.1滴いれたら、静かに目を閉じて、あふれた薬をティッシュなどでおさえてふきとり、目頭を軽く押さえます。1,2分おさえるとなおよいでしょう。ぱちぱちと瞬きをするとお薬の効果が少なくなります。
7.まつげにお薬が残っているとしばらくの間見えにくいようです。優しくふき取りましょう。また、一部の緑内障の点眼薬などで、皮膚に残ると色素沈着が生じる種類のお薬があります。処方されたときにそのような注意があった場合は、点眼後に充分な量のお水で目の周りを洗ってください。(目を閉じて、まわりだけ洗ってください)
8.2種類以上のお薬を同じ時間につける場合は、5分以上、間隔をあけてください。つける順番の指示があった場合はそのようにしてください。
その他の注意:
・点眼瓶ははじめに入っていた袋に保管しましょう。光に弱いお薬を守ってくれるなど、袋にも意味があります。また、お薬の名前やつける回数などが書いてあるので元の袋にしまうのが安全です。またラベルもはがさないほうが良いです。
・蓋はしっかりと閉めましょう。中身が漏れて少なくなったり、汚れが入ってしまうのを防ぎましょう。
・お薬は冷暗所に保存しましょう。冷蔵庫に入れる必要のある場合は、凍らないところにしまってください。日の当たるところ、車の中などに置くのはやめましょう。
・同じ種類の薬を一度に複数開けて、いろいろなところにおいて使うのはお勧めできません。薬の使用期限は開封するとおよそ1か月です。1本ずつ順番に開封して、期間内に使用しましょう。
・お薬を一日に何回つけるかは、みなさんが思っている以上にとても大切です。副作用を最小限にして、最大限の治療効果を得るために、どのお薬を、どちらの眼に、いつ、何回つけるかということに注意を払いましょう。
ご不明な点がありましたら、診察の時におっしゃってください。